東京マグニチュード8.0 最終回

う〜ん・・少しつらいお話でしたが、とても気持ちのいい終わり方だったと思います。先週放送だった、一連の学校のシーンが丁寧に描かれてたおかげで、より今週グッと来たのかな。完全な大団円じゃなくても、主人公や他のキャラクターが、悩みぬいた末の選択であったり成長したりする姿がきちんと描写されてる物語が、個人的には好きだったりします。
第1話が放送されたときにも日記(d:id:OIE:20090709)を書いていますが、これを見返してみても、今回の最終回に向けて、というかストーリー全体を流すために、第1話から少しずつきちんと要素がちりばめられていたことが分かります。
同じく丁寧さという点だと、膨大なリサーチに基づいた描写のおかげか、毎話、ある種の「安心感」を持ってみることができました。レインボーブリッジが落ちたり、東京タワーが倒れたりと、割と突飛な印象のイベントも出てきますが、それでもリアリティや緊迫感がキチンと伝わってきましたし。
最初にこのアニメを見始めたときは、「パニックものとして描いていくのかな?」とも思ったのですが、実際には、比較的淡々と(大げさに描かないという意味で)、家にたどり着くまでの過程を描くストーリーでした。それでも展開がダレなかったのは、要所要所で「人どうしのドラマ」が描かれていたから、という理由もありそうです。母親をなくした友人、ボランティアで支援活動を行うおじいさんとその妻など、家路を辿るという本筋から言えば描写がなくてもストーリーは成り立つと思います。・・が、キャラクターの視点に立つと、このようなエピソードが人の命の重さや関係性、家族といったことに考えを重ねていく(そして最終回へつながっていく)重要なきっかけとなっているし、なにより、キャラクターだけではなく視聴者に、本作品を通じて製作者が伝えたかったことこそがそれだったのではないでしょうか。結果的には、リアリティ、ドラマ性、メッセージ性といったさまざまな要素が、とてもいいバランスで成り立ったアニメ作品だったんじゃないか、と思いました。