TOKYO6公式MMDモデルを使いこなそう!MMD初心者でも簡単なアニメーション制作できるようになるまでの奮闘録

はじめに

こんにちは、OIEです!
本記事はアドベントカレンダーTOKYO6とかSynthVとかCeVIOとかVOICEPEAKとか Advent Calendar 2023」の参加記事でもあるので、簡単に自己紹介を。
音楽サークル「遊楽団」のメンバーとしてインスト中心にBGM・劇伴等を作成していましたが、ボカロ曲(VOCALOID, Synthesizer V)のニコ動・YouTubeへの公開もするようになりました。この記事を書いている2023年現在、Synthesizer V「小春六花」「夏色花梨」「花隈千冬」(3人合わせて"六花一味"!)が歌う楽曲・動画の制作を中心に活動しています。
本記事は、そんな最近の活動をきっかけに作成しました。

この記事で扱うこと

自己紹介のとおり、六花一味の曲公開用にそれぞれ動画を作成しましたが、その中で、TOKYO6 ENTERTAINMENTさんが公開されている3人の公式MMDモデルをたっぷり活用させていただくことができました。この記事では、そんな経験から得られた知識を、下記のような内容としてまとめています。
  • 公式MMDモデルを使用する理由・メリット
  • MMDほぼ初心者の自分が簡単なアニメーションを作成できるまでのステップ
  • MMDモデルを活かすために実践してみたこと
逆に、MMDの詳細な操作手順については本記事では取り扱っていませんが、自分がMMD操作で参考にした書籍を紹介していますので、そちらを参考にしていただければと思います。
なにぶん、自分はどちらかといえば楽曲制作がコアな人間で、動画制作の方は都度手探りで開拓している状況なため、記事に網羅性・正確性・客観性のあたり怪しいところがあると思いますが(笑)、これから始める方・同じように悩んでいる方に届いてほしい!と願い、この奮闘記を公開する次第です。
なお、記事のはじめはTOKYO6公式MMDモデル固有の記載内容が多いですが、以降はほかのモデルにも適用できる情報がありますので、他のMMDモデルをご利用の方にもぜひ読んでいただければと思います。

TOKYO6公式MMDモデルってなに?

そもそもMMDとは

MMDMikuMikuDance)は、キャラクターモデルやライト、小物などを3D上に配置・操作し、静止画とアニメーションを出力できるソフトウェアです。本ソフトに対応したキャラクターモデルが数多く公開されており、今回取り上げるTOKYO6公式MMDモデルもこの中に含まれます。
MMDについての情報は、公式サイトやその他ページで数多く発信されていますが、自分はMMD入門にあたり下記の書籍を参照しました。詳細な手順やアニメーションの考え方など、参考になる点が多く助かっています。
→基本操作からアニメーション入門まで
→アニメーションを含む応用編
実は、どちらもずいぶん昔に自分がMMDを触ろうとしたときに購入した本なので、発売日は古めです。その時はチュートリアル的に「ウマウマ」を作ったところで終わり、その後知識・経験ともリセットされてしまったため、今回完全初心者としての再挑戦です(笑)。

公式MMDモデルを利用するメリット

楽曲や動画を公開するとき、どのような画像を利用するかは、その人の制作スタイルや環境によってさまざまだと思いますが、自分が六花一味の作品を作り始めてから公式MMDモデルを利用し始めたのは、下記のような理由が大きいです。
1. 動画素材やジャケット用に気軽に利用できる素材を作ることができる

本モデルで作成した画像については、TOKYO6さんのブログ記事に記載の通り、幅広い用途で利用することが可能です。

note.com

実際、自分の場合は動画素材としての利用のほか、下図のようにCDジャケット等にも活用させていただいています。

CDジャケット画像(We are Here)
2. 3Dならではの動画やバリエーションが簡単に作ることができる

3D上でポーズ等を設定した3Dモデルは、色々なアングルやカメラ設定で画像を出力できます。つまり、ひとつデータを作成しただけでも、望む利用方法に向けた様々なバリエーションを作ることができます。

また、作成したポーズや表情は異なるモデルにも楽に適用できる場合が多いため(特に今回の3モデル間は相性抜群!)、キャラクターを変えたり複数人で踊らせたり・・といった観点でのバリエーションも作成しやすくなります。

「はじめての歌 -夜明け-」動画素材

ジャケット画像(同素材の別視点)
3. かわいい!
…いや、だってそうなんですもの!(笑)
  • いろんな表情をつけることができるしかわいい
  • 顔をどの角度から見ても不自然さが少ないしかわいい
  • 服がきちんとポーズに従ってくれやすいしかわいい
もう少しちゃんと補足すると、クセや弱点が見当たらないし、しっかり取り組んであげればこちらの制作意図に応えてくれるような、ちゃんと「想い」を載せられるモデルなのが、個人的に一番魅力に感じるところですね。

かわいい

公式MMDモデルの利用

ここまで読んで、公式MMDモデルに興味を持ったあなた!小春六花・夏色花梨・花隈千冬の各MMDモデルは、ニコニ立体の各ページからダウンロードすることができます(2023年12月現在)。当該ページに記載がある通り、利用前にはキャラクターガイドラインも確認するようにしましょう。また、公式MMDモデルを利用した作品をニコニコ動画で公開した場合、MMDモデルの子作品として登録可能です。
なお、修正などモデル関連の情報はTOKYO6さんの公式ブログにもアナウンスが出ているので、ダウンロードした後も随時参照ですね。

MMDに取り掛かる前にやっておきたいこと

ダウンロードした公式モデルで、いざMMD開始!…の、その前に。
ここからはいったんMMD自体から少し離れて、MMDを操作し始める前にあらかじめやってみてよかったポイントを挙げます。
MMDに限った話ではないですが、全体像や方向性を固めずに細部に取り組み始めてしまうと、大局的な不自然さやイメージとのズレに気付けなかったり、気付けても作り込んでしまったが故に後戻りがメチャクチャ大変(というか無理)…なんてことが起こりがちです。作品作りのモチベーションを高めるためにも、自分が意識して実践してみたのは以下のようなポイントです。
1. 妄想する
一番大事です(笑)。本当に実現できそうかどうかとか、そーゆーのは置いといて、頭のなかで絵面のアイディアを出していきます。作りたい動画のイメージから必要な素材を挙げていくもよし、キービジュアル的な一枚絵から考えていくもよし。とにかく、自分の発想から足枷を外して妄想を膨らませます。1つのシーンに対して複数のアイディアが出せるとなお良いですね!
2. スケッチを描く
画面や印刷に出力した際のイメージを、簡単にスケッチしてみます。この時、キャラクターのポージング・表情だけでなく、カメラまわり(主に視点位置、画角)を意識しておくと、のちのMMD作業がスムーズになります。
前の段階で、1つのシーンに複数のアイディアが出ている場合は、この時点で具体化と比較を行いましょう。大丈夫、採用しなかったほうのイメージだって無駄になりません!別のシーンや用途にきっと使えます。
ここまでのポイントは、MMDに限らずイラストを描く場合にも共通するため、イラスト制作の入門書や技法書を参照してみるのも手ですね。
3. アクションフィギュアでポーズを確認する
絵面が固まってきたら、自分はいったん、アクションフィギュアでポーズを確認しています。
これは、このあとのMMD上のポージングをスムーズにするためでもありますが、より重要なのは、自分の脳内イメージにより近い・より魅力的なポージングを自分の手で簡単に試行錯誤できることです。
あとのパートでも触れるとおり、体や首のひねり・角度がちょっと変わっただけでも、キャラクターは急に生き生きとし始めることがあります。こういったことはMMD上でも試すことができますが、軸操作やカメラ視点を気にせずに指先で試せた方が、圧倒的にラクです。
ちなみに、現在自分が利用しているのはBANDAI SPIRITS社「S.H.フィギュアーツ ボディちゃん」シリーズ。手頃な価格でありながら、実際の人間に近い可動範囲とシルエットを再現してくれる優れものです。(フィギュアの分類ですが、2Dイラストのデッサン人形としても想定されています)

S.H.フィギュアーツ ボディちゃんと台座

ステップアップ実践編!はじめての一枚絵からアニメーションまで

それではここから、本題の一つであるMMDステップアップ実践編の解説開始です。
MMDは使いやすいツールですが、使い始めから複雑なことにチャレンジしようとすると、各所でつまずきゴールまで辿り着けなかった・・なんてことにもなりかねません。そこで自分は、まず絵一枚だけを使う動画を考え、MMD的には絵一枚の出力をゴールに設定。次に、もう一段階難しい内容の動画とMMDをゴールに設定・・というように、作品作りとMMD習熟を並行して進められるようにしました。こうすることで、いきなり難しいことにチャレンジして挫折したり完成が遅くなるリスクを避けつつ、コンスタントな作品発表とMMD習熟を両立させることが可能です。
ここでは、最終的に簡単なアニメーションを作れるようになるまでのステップと、気づいたこと・習得できてよかった点について、実際の自分の作例を参照しながらご紹介します。

ステップ1:一人の一枚絵を作成する

作例
つかれたんだね(2022/4/23)

雪に、消える(2022/9/6)

目標
その作品を代表するような、一枚絵をMMDで作成します。
たとえ一枚だけでも、動画の一枚絵にできるしサムネにも利用できるので、この時点でも十分実用性があります!まずはここからスタートしてみましょう。一枚だけなので、「MMDに取り掛かる前にやっておきたいこと」節の内容を特にじっくり吟味しておくのがおすすめです。
実践してみたこと1:ポーズを作る
まず、MMD自体とモデル操作に慣れます。上述の本のような参考書など、体系的に情報がまとまっている参照先があると、初めてでもスムーズに進められます。
そのうえで、個人的に気をつけてみた点は以下の通り。
  • からだの全体を作る
    • S字を意識する
      上半身と下半身、あるいは頭の先からつま先までが「S字」を描くようにポージングすると、しなやかさやダイナミクスが出やすくなります。読み込み直後のMMDはまっすぐの直立不動状態ですが、このS字を意識して、この状態から腰や上半身の捻り、左右や前後の傾きを変えていきます。
    • 見せたくないところは隠す
      髪の毛や体を曲げた時の制服など、制御が効かない・難しい箇所でどうしても意図通りにならないことがよくあります。そんなときは…見せないことにしちゃいましょう(笑)。
      もちろん、物理演算を切って手動でボーンをいじる等すれば修正が可能な部分もあると思いますが、効率面から言っても、先に「見せない」代替案を考えた方が結果が良くなりやすいかな、と考えています。その方が気楽だし(笑)。
      視点を変えてみる、ポーズを変えてみるなどの別案を検討してみましょう。
  • からだの一部を作る
    • 肩と首の表現をおろそかにしない
      絵ですぐに目につきやすいのは表情だったり指先だったりしますが、ことMMDのポージングにおいては肩と首の表現力次第で、キャラクターの生命感がまったく変わってきます。
      具体的には、肩は前後と上下への回転、首は前後と左右への傾きとひねり・・これらを意識的に操作してあげることが重要だと思いました。(「走る」「投げる」といったアクションを表すのに、必ずしも設定が必要な箇所ではないだけに、意識しないと抜けてしまう)
      頭のなかでイメージしにくい場合は、上記のアクションフィギュアで試す方法のほかに、自分の肩や首を色々動かしてみるのがおすすめです。鏡がない場合でも、実際に動かしてみると感覚的に「あ、これかわいい」とか意外とわかります(笑)。
実践してみたこと2:表情を作る
  • 複数のパラメータを組み合わせてみる
    表情付けをするとき、パラメータを切り替えながら複数のスライダーで細かく調整すると、脳内イメージに近づけることができます。たとえば、目とまゆのあいだの距離は意志の強さを印象づけたりするので、まゆの傾きで感情等を表すのとは独立して調整してあげるといいと思います。
    ただしいじりすぎると3Dモデルが破綻しておかしなことになるので、できる限りシンプルに。(まゆが顔面に埋没した場合は、「前」パラメータで上に持って来れます)
  • 左右非対称を意識してみる
    目やまゆには、左右両方を同時にコントロールするパラメータがあるため、基本的な表情づけはこれらで簡単に行えます。一方で、左右を独立してコントロールできるパラメータもあり、こちらはより豊かな表情づけに活用できます。
    たとえば、「怒り」「恥じらい」「困惑」「腹黒」・・といった、内面部分も表情に滲ませたい場合、異なる左右の組み合わせで初めて実現できることが多々あります。また個人的には、口の口角を左右どちらか動かすのも、「ニヒッ」とした感じが出て好きですね!

「つかれたんだね」では、上記のような調整を行い、この曲を歌う小春六花の自分的イメージ像に近づけたかなと思ってます。
…結果的に、わりとイケメンになりましたね(笑)。

「つかれたんだね」動画内画像

MMD画像(顔正面)


ステップ2:
1シーンからバリエーションを作る

作例

なんにもない(2022/12/25)

目標
ここでは、一枚の絵を出力するだけでなく、一度作ったシーンから絵のバリエーションを作成できるようになります。動画の素材を増やしたり、素材間の意味を与えることでストーリー性を与えたりと、できることが俄然増えてきます!
前項で一枚絵を作成するときに意識することを下敷きにしつつ、ここではさらに下記2点を押さえられると良いと思います。
実践してみたこと1:省力化できるポイントと方向性を検討する
MMDで…というよりも、作品自体の検討段階から考えるとよい内容ですね。
バリエーション作成の方向を、ざっくり「時間軸」と「空間」の2つに分けてみましょう。
  • 時間軸
    ひとつのシーンをもとに、キャラクターの「ポーズ」「表情」といった要素を変えたバリエーション。同じようなカットであっても、少しの違いを加えることで、そこに文脈を生み出せます。
    別ファイルにバリエーションを保存してもいいですが、のちのステップでアニメーションを扱うので、現在のキーフレームを別フレームへ複製する操作をここで覚えておいてもいいと思います。(時間軸といっても、この段階ではアニメーション作りは意識する必要がなく、バリエーションを別フレームに保存していく、というイメージですね)
    作例では、以下のお話の流れを想定して、1つの基本ポーズから4つのバリエーションを作成しています。
    「・・・」→「(やば、見られてた!)」→「たはー(照)」→「…となり、座る?」

    「なんにもない」バリエーション
  • 空間
    こちらは「カメラ」および「他キャラクターへのモーションデータ適用」を利用するバリエーション。
    同じシーンでも、カメラの視点や視野角、「パースペクティブ」ON/OFFが変われば絵も大きく変わります。カメラを変えたバリエーションづくりを意識しておけば、それに耐えるシーンをはじめから用意できるので、手戻りなく効率化できますね。
    また「他キャラクターへのモーションデータ適用」は、保存したモーションを他キャラクターに読み込ませる方法です。複数キャラクターで同じダンスをさせるとき等によく使われますが、(アニメーションではない)静止画であっても利用可能なので、同じようなポーズを取らせたいときなどには積極的に活用しましょう。(こちらの空間バリエーションについては、次以降のステップで触れていきます)
実践してみたこと2:死角をなくす
ここで言う「死角」は・・フィギュア用語なのかな?
市販やプライズのフィギュアでは、一つの鑑賞ポイントとして「死角の少なさ」が挙げられることがあります。フィギュアはいろいろな角度から眺められるわけですが、角度によっては「情報量が少ない」「情報量の配置がアンバランス」「体勢が不自然に見える」といった理由で、「この角度から見るとイマイチ・・」というようなことがあり、これを「死角」と呼んだりします。(はず)
ポージングする段階で、この死角が少なくなるようにしておくと、特にカメラ位置を再検討したりバリエーションを作るのがスムーズになり、基本的におススメです。
・・が、「絶対に上半身しか写さん!」と決めているのに下半身まで作りこんでも無駄になってしまいますし(笑)、特定の角度からのショットに最適化するために他の角度からの見え方を犠牲にするのもよくあることなので、このあたりは柔軟に適用を検討していただければと。

ステップ3:複数キャラクターのシーンを作る

作例

はじめての歌 -夜明け-(2023/6/6)

目標
小春六花一味は、ひとりの歌唱でも十分な個性と存在感を発揮しますが、複数人で歌う組み合わせができるのもまた醍醐味の一つです。動画においても同様、複数キャラクターを登場させる楽しさ(と大変さ)があるわけですが、ここではその効果をより大きくする方法を考えてみます。
実践してみたこと1:キャラクターごとの個性を表す
作品を作るうえでは、3人のキャラクター性が全然違っているおかげでいろいろと妄想しやすく(笑)、それを曲と動画に落とし込むのも楽しかったりします。結果的に、各キャラクターのポージング・表情にバリエーションが出せ、載せたい意図も伝わりやすい絵にできるので、思う存分脳内で3人を深堀りしていくのが吉!作例からも、なんとなく3人の個性(この曲・動画でのOIEが持つイメージ)が現れていればなーと思います。

回転図

▲六花、花梨それぞれのポージング。「S字」「死角をなくす」も実践できてお気に入り

ステップ4:アニメーションを作る

作例

嗚呼ゾンビ乙女(2023/8/6)

目標
ついに、アニメーション制作に取り掛かります。MMDを始めてからここまでの間に、基本的な操作やポージング・表情の勘どころは押さえてきたので、あとはキャラクターに動きをつけてあげる方法を習得するだけです!
先に述べたとおり、本記事ではフレーム操作や補間曲線の調整など、アニメーションについても具体的な操作方法は取り扱いませんので、そのほか自分が実践してみたことをこちらにご紹介します。
実践してみたこと1:キャラクターごとの個性を表す:アニメーション編
静止画で実践したキャラクターごとの個性付けを、ここでも実践します。
今回の作例では、夏色花梨と小春六花に、前にズンズン進む動きをシンクロしてほしかったので、基本は同じモーションデータを適用する方向で検討。(上述の「空間」バリエーションですね)
そのうえで、二人を全く同じ動作にするかどうかをまず考えました。
「厳しい練習を積んだアイドルやシンクロ(アーティスティックスイミング)選手ならともかく、花梨・六花ペアはどうなんだろう・・?完全に同じだとちょっと味気ない気がするし、コピペ感が出るのももったいないな・・」
ということで、基本は二人を同じ動きにしつつ、それぞれ特徴をつける方向に決定。二人の動きを妄想した結果、下記の方向でカスタマイズすることにしました。
  • 夏色花梨:キビキビ、コンパクトに、正確に
  • 小春六花:ちょっとルーズに、大きく、ダイナミックに
実際の作業としては、まず花梨で上記特徴に沿ってモーションを作成し、完成後に六花へ移植しモーションを六花ナイズしていきました(作業量を減らすため)。
作例では、フレームレートが低いこともあり目立った違いが見えにくいですが(笑)、むしろここは、「違いを目立たせる」ことよりも「まったく同じ動きだと感じさせない(コピペ感を感じさせない)」ことのほうが重要だと思うので、それが実現できていればオールOK!

アニメーション付け風景
実践してみたこと2:フレームレートを調整する
作例の花梨・六花が歩いてくるアニメーションは、曲の1小節に合わせてちょうど1サイクル回るようにしており、MMD上では48フレームを1周として作成しています。これは、盛り込みたい動作の数や動画のFPSなどを勘案して決めた数字ですが、実際の動画ではずっとフレーム数が少なく、通常時は8フレーム、サビでは16フレームのカクカクしたアニメーションになっています。
正直言うと、作り始めた当初はこのフレームレート(なめらかさ具合)の調整について意識していなかったんですが(笑)、曲・動画ともに少し古めかしい感じが固まってきた段階で、「これ、敢えてフレームレートを落とした方がしっくり来るんじゃね?」と思うようになりました。
上映している映画(24fps)もそうですよね。ヌルヌルではない独自の味わいみたいなのがあるわけで、実際作例でもいろいろ試した結果、中間フレームを間引きした8フレーム・16フレームが一番しっくり来たため、現在の動画になっています。
そのほか作例では、今までに取り扱った、「カメラを変更することでのバリエーション作成」「死角低減」なども実践していますので、そのあたりにも着目して見ていただければと思います。

終わりに

ということで、約2年半前にほぼ初めて触ったMMDと付き合ってきた奮闘記、いかがだったでしょうか。振り返ってみて改めて感じるのは、やはり「公式MMDモデルは想いにしっかり応えてくれるモデルだ!」というところですね。静止画からアニメーション制作まで順調にステップアップできたのも、自然かつかわいい(←重要!)姿をしっかり返してくれることでモチベーションを保てた部分が大きいと思います。
本記事は具体的な操作方法に触れていないので、辞書的に都度開いてもらうような内容ではないですが、MMDと公式モデルに興味があってこれから触ろうとする方や、ステップアップの仕方・活用の仕方に少し不安を感じているような方へ、少しでも後押しできるよう役に立てたら嬉しいです!
自分も引き続き活用させていただくつもりですが、今後ますます事例が増えて新しい展開が生まれることを祈りつつ、こちらで本記事を締めとさせていただきます。
 
最後に…
よかったら今後もOIIEの曲と動画(ニコニコ動画YouTube)、X(旧Twitter)をよろしくお願いします!(宣伝)