「ねぇ、マスター。」3D版動画作成日誌 基礎データ算出編

さて、1回遅れましたが今日から実践編です、「ねぇ、マスター。」3D版作成。

(目に)優しい動画を届けるために

・・といいながら、今回はまだすぐには動画を作成しません。その前にまだ、決めなければいけない重要なことがあるからです。それは、適切なコンテンツとして、深さをどの範囲までに限定するか、ということです。先日紹介した参考書、オーム社「3D立体映像表現の基礎」で言えば、「5.3.3 輻輳・調整の不一致と視差角」で紹介されている指標ですね。要は、コンテンツ中に、ヘンに近すぎたり遠すぎたりする対象物があると目への負担がキツいので、そういうのは避けましょうというものです。書籍の中では具体的な指標として、輻輳角(ディスプレイを見る両目の光軸が成す角度)と視差角(立体像を見るときに成される角度)の差が、プラスマイナス1度の範囲に抑えられることを提示しており、今回の3D版ではこの指標を遵守することにしました。

こんな環境を想定してみた

さて、ここで出てくる輻輳角も視差角も、実際に映像を視聴する環境を特定しない限り求めることが出来ません。そこで今回は、想定する視聴環境として以下のようなものに決めました。

  • ディスプレイ:16:9の23インチディスプレイ。表示領域の横幅はおよそ51センチ。
  • 解像度と動画サイズ:上記ディスプレイで一般的な1920x1080ピクセルでの表示時、ブラウザでYouTubeの動画を再生する際に一般的な640x480ピクセルでの視聴。(拡大・縮小は行わないものとする。)
  • 目からディスプレイまでの距離:1メートル。(健康上はより離れた距離が推奨されると思いますが、現実的な環境を想定するものとして。)
  • 瞳孔間隔:6.5センチ。

基準値一覧(取り扱い注意!)

これらの情報により、以下の数値を算出しました。(といっても、実際やることは模式図を書いた上で相似形や比率から算数を解いていく感じ。)

  • 基線長(左右カメラの間隔)は124ピクセルとし、立体化する際は、左右の出力結果からそれぞれ62ピクセルずつずらす。(ただしこれは640x480を基準にしたときの数値のため、これと異なる解像度でレンダリングした場合はそのサイズに比例して変化する。)
  • 許容される深さのレベルは、目からディスプレイまでの距離を1000とした場合の、650


一応、この計算結果で大きな違和感がないことは確認しましたが、実際のところ初めての計算なので、ロジック的にも間違っている可能性が十分にありえます・・。あくまで上記の数値は参考程度にとどめておいてくださいね。
さらに、650