初音ミク「きみにならびて野にたてば」公開にあたり

ピアプロ、およびニコニコ動画 / YouTubeにて新曲を公開しました。宮沢賢治の詩に曲をつけさせていただいた、「きみにならびて野にたてば」です。

以前の日記 (d:id:OIE:20110327) でお伝えしていた曲を、やっと完成させることが出来ました。作業としてメロディの模索を始めたのが3月下旬だったので、ある意味制作期間は短めなのですが、構想自体はずいぶん前からあった曲です。

宮沢賢治の作品は、童話・詩集等のジャンルを問わず好きで、すべてにはほど遠いですがいくつか文庫でその一部を読んでいました。そのなかでこの「きみにならびて野にたてば」(「文語詩稿 五十篇」収録)は、目の前に拡がる景観や冷たい空気感、自然の営み、それに言葉のリズム感・・読んだときから、「いつか曲のかたちにしたいなぁ」と思い続けていたのでした。

今回の大地震まで、別の曲を作っていたのですが、被災後の対応の疲れや緊張感からか、1〜2週間くらいほとんど作業が手につかないような状態でした。そのとき、花巻を愛した宮沢賢治が遺したこの作品を通して、震災をみなで乗り越えるための手助けに少しでもならないか・・自分の気持ちの切り替えのためにも取り組もうと思い立ち、やっと今日、公開の日を迎えることが出来ました。

前の日記や動画紹介にも書いたとおり、元気が出る!・・というような応援歌ではないかもしれません。それでも、この曲とミクの声に込めた想いや祈りが、誰かの心に伝わることを、切に願っています。