「旅人よ」ご視聴、ありがとうございます

2010年5月31日、地球に向かうその名前がテレビのニュースでも取り上げられ始めた頃、この動画は公開となりました。



【はやぶさへ】 旅人よ(完成版) 【初音ミク】 (YouTube)


あれから半年の今日、10,000回の大台を再生回数で迎えることが出来ました。ニコニコ動画のほうも含め、ごらんになった方、またコメントを入れてくださった方、本当にありがとうございます。


思えば今年の1月、ペーパークラフトに写真撮影、合成処理にアニメーション・・「ほぼ初めて」づくしのままスタートさせた動画作成プロジェクトでした。曲も、これだけの長さ・パート数に及んだものはなく、4月に公開したパイロットフィルム版は、リアルにそのときにできあがっていた部分そのもの。残りのパートは、すべて4月と5月に曲と動画を仕上げる、超タイトなスケジュールでした。

それでもこの公開時期を実現できたのは、帰ってくるその日までに、なにがなんでも完成させてみせる、という決心があったからだと思います。今年の早い段階で、6月の帰還は確定していたので(これ以上トラブルがなければ、という条件つき・・)、なんとかそれまでに。はやぶさへ動画を作るプロジェクトは、いつしか、はやぶさ自身に後押ししてもらっていたのでした。


今まで、このブログでも書いてこなかったお話が1つあります。
一番はじめ、作り始めた頃は、この作品ははやぶさが無事に帰ってくることを祈るまでを描く予定でした。「長い家路に、ただ幸あれ」と。
・・でも、作っていくうちに、本当にそこで終わっていいのだろうか、という疑問が頭をもたげてきました。「確かにはやぶさは帰ってくる(そう祈ってる)、でも、そのあとの僕たちはなにができるんだろう?帰還だけでストーリーを完結させるのは、あまりにさびしいんじゃないか?」
帰ってくるその姿に感じるものは、人それぞれ。「答え」なんてないけれど、自分なりの受け止め方に、もしかしたら曲を聴いて共感してくれる人がいるかもしれない・・そう思ったとき、この曲の最後を加えることが決心できました。


こうして決まったのは最後のパートだけではありません。ミクについても、この想いから、あくまで地球からはやぶさを祈り、応援するひとりとして描くことを決めています。この星の上で、空を見上げ、祈り、風を感じ、最後の光を見つめ、静かにその旅路を想う・・。お借りしたすばらしいイラストとともに、歌声をお届けできたからこそ、等身大のメッセージとして、共感して頂ける方のいる動画になったのだと思います。


結局、予定を大幅に超えて5月末での公開となってしまいましたが、そのぶん、帰還を果たした今でも、そのときの想いだったり、未来へのメッセージみたいなものは焼き付いているのかな。もしまたご覧になりたいと思ったときは、いつでも見返して頂けると、自分もうれしいです。


まだ先のことは多くは決まっていないのですが、先日公開した動画「無限トランスファア」(2D版。3D版はこちら)のあとも、いろいろ作り続けるつもりです。この「旅人よ」についても、1周年くらいをめどに(ずいぶん先ですが(笑))、形を変えた「なにか」を作れればいいな、と思っていますので、その際もぜひよろしくお願いしますね。・・とても「濃い」ものができそうな予感がしてます。