Miku Append と「ものがたり」

「旅人よ」完成版の燃え尽き感からようやく立ち直りつつある OIE です。4ヶ月以上根詰めてた反動なのか、さすがに余韻がまだ少し残ってるみたいですが、じっくり治していきたいと思います。

そんなこんなで、消化の一環として、昨日に引き続き動画のネタ話おば。
今日は、動画の長さと Miku Append のお話。


なんといってもこの動画・・長い(笑)。昨日(d:id:OIE:20100601)は制作期間が長い短い、て話でしたが、再生時間(尺)が8分半と、1曲にしては結構長めです。4分以上の曲を作ったことがない自分にとっても、ぶっちぎりの最長記録なのでした。

一番最初の構想では、純粋に1番と2番(動画でいうと、0分50秒から5分10秒あたり)で、はやぶさの往路と復路を描くストーリーだった気がします。遙か彼方から家路を急いでいる時でしたし。地球までカプセルを送り届けてくれれば、それが一つのゴールであるわけです。


でも・・でも。


それじゃ、ちょっとさびしいな、と。
はやぶさのプロジェクトの目的はなんだっけ?
届けられたカプセルは、そこで終わりなのか?
彼の旅路と砂漠の空に、自分は何を感じたのか?何ができるのか?


何を感じ、何を伝えられるのか?


そこまで考えたら、オープニングと、2番から先の歌は自然に出来てきたような気がします。
本当は、それを付け加えることでの客観・主観性のねじれやそもそもの作曲の動機・・様々なことを考えたのですが、ここらへんは後日、一段落してからまとめたいと思います。


まぁとにかく、そんな経緯でいろんな意味合い・形を持ったパーツが連続する中で、それぞれに芯とキャラクターを与えてくれたのが、Miku Append なのでした。
初音ミクの追加パッケージという形でリリースされたこの Miku Append、導入することで声質が一気に6種類追加されます。このうち、SWEET/DARK/SOLID はそれぞれ別の表情を持った強い個性が表れていますが、残りの SOFT/LIGHT/VIVID は比較的通常版に近い声のため、同じ曲の中にも複数組み込みやすい印象でした。
いろいろ試した結果、今回の曲では以下のような使い方をしています。

  • オープニングおよび2番直後のピアノの場面はSOFT。
  • 1番は全体が通常版。
  • 2番は通常版と VIVID の混合。
  • 最後のパートは VIVID 主体で、通常版もちらほら。

VIVID の声はとてもコシがあり、なおかつ通常版との親和性が非常に高かったため、実は2番以降は、この2つを単語単位で切り替えて使っている場所もあります。トラックも分けず、エディタから Rewire 経由で1トラックとして録音しているので、ほんとに両者がとけ込んでいる感じですね。

今回、はやぶさ帰還目前の5月末までに曲をまとめ上げようとしたタイミングで、この Miku Append がリリースされたのは、本当にラッキーでした。むしろ「運命」と感じるほど(笑)。おかげで、ある程度初音ミクの歌声に魂を吹き込めたかな、と思っているのですが、どうでしょうか?複数のライブラリをまぜこぜにするのはちょっとアクロバティックな使い方と思いますが、SWEET など際だった個性の声質では、それにあった新しいジャンルの曲が生まれてきそうで、結構ワクワクしたりします。


ちょっと長くなりましたが、今日はこのへんで。次回は DS-10 plus の話かな(1番終わりまでのドラム類は、ほとんど DS-10 plus のものなんです)。