広すぎるソ・ラ

ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」も昨日で第3話。個人的には、とりあえずやっと一安心、という感じです(笑)。・・なにに心配してたかというと。


クオリティ面については、初回からまっったく不安でないです。むしろ、キャラクターはよく動くし、表情は豊かだし、カットもテンポよく切り替わるし。見ていてとても気持ちいい演出だと思います。


ただ、その演出の中でところどころ、・・狂気を感じる場所があるんですよね(笑)。1話で、街の伝説?を物語るシーンで、古代の絵柄の中に突然、ヒロインたちの姿が埋め込まれていて、もう・・。ちょっと怖いと思うのは、自分だけ?
同じテイストのオープニングが2話から始まっていますが、やっぱり少し不気味。5人の殆どが四つん這いの後ろ姿に描かれたカットとか、普通に考えて出てくる構図じゃないと思います。
エンディングはエンディングで、あまりにあっけらかんとした空気で描いていて、「シリアス回のときの気持ち的な救出策なのでは?」とも深読みしてしまいます(笑)。逆の組み合わせで、オープニングは明るく、エンディングは静かに・・というのが一般的なので、余計そう感じてしまいますねー。
各話ごとに話を戻すと、1話では、カナタの回想シーンに出てくる(3話でも度々出てくる)軍服の女性は、瞳に輝きが描かれていませんでした。2話では、(ホラー仕立てのストーリーもあってか)恐怖に怯えるヒロインたちの表情は、かなりリアルテイストに描かれていましたね。



これは舞台背景にも共通していますが、現状ではあまりにも演出の幅が広すぎる気がします。「舞台の日常をゆったりと描く」という方向性もありえますが、逆に、とんでもなくエゲツない(笑)、血も涙もドロドロのような方向性に向かう含みも、あえて残している気がするんですよねー・・邪推かな?



今回の3話で安心したというのは、カナタの母、リオの父(と病床の母?)という「家族」が描かれ始めたので、今後各キャラクターを様々な形ですこしずつ掘り下げていく道が見えてきたからです。いきなり崩壊した世界にヒロインたちが投げ出される、ということは、多分ない(笑)。加えて、上記の通り1話では輝きがなかった、カナタの思い出の女性の目が、3話の回想では光が描かれていたので、一応回収してくれた・・という点でも安心です。


とはいえ、なぜ回想シーンのなかで、彼女はひとり雨にふられながら歩き回っていたのかは、不明のまま。今回初めて出てきた「教会」も、ある種の二面性が伝えられたのみで、どちらが本質かは不明。戦争についてもあくまで「休戦」状態。1話で湖の中で見た化石の正体は?歩行戦車が戦闘に使われてしまう機会が訪れるのか?・・など、ストーリーの大きな流れに関わりそうな不明点が、いくつも残されたままです。2話、3話とユルいお話(笑)が続いてますが、6,7話あたりでガツーン!とシリアス方向に舵を切ってもおかしくないし・・。

なんだか勝手に盛り上がってますが(笑)、個人的にはちょっとドキドキしながらも、今後のストーリーを見ていきたいと思います。



・・それにしても、カナタの「雪が食べたい」というセリフは、やはり宮沢賢治の「永訣の朝」へのオマージュでしょうか?聞いたときは少し、どきっとしました。
もし「永訣の朝」をご存知でなければ、ぜひ詩の内容・背景を参照してみてくださいね。リオの行動に、鬼気迫るものを感じるようになるはずです。